あしたのしあわせ

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小林賢太郎演劇作品#7 ロールシャッハ

11月5日金曜の夜に観てきました。
それぞれの役者がとっても魅力的で、おもしろい・たのしいだけではなく、しっかりと心に残る舞台でした。
さらっとですが、感想めいたものを。ネタバレもありますので、これから観る予定の方、DVDを待つ方などは、避けられます様に。






4人の登場人物、それぞれがコンプレックスを抱え、思い悩んでいる。
その4つのコンプレックスのどれかは誰しも思い当たるような普遍的なもの。
出身も職業も性格もバラバラな4人が自分のコンプレックスと向き合いながら団結してひとつの目標に向かっていく。ただその目標には陰謀めいたものがあって…というお話。
小林賢太郎はいつもなにかしら作品にメッセージを込めてくる。
前回のトライアンフは、それがちょっと押しつけがましく、苦しく感じられたのだけれど、
ロールシャッハは伝えたいメッセージ部分とただただたのしいエンターテイメント部分のバランスがすごく好みでした。
4人の中では「自分がない」串田さんの葛藤がつらかった…。ちょっと泣いた。
串田さんはすごく現代っぽいひとだと思うのね。流行からずれるのがこわい、他人に合わせる方が楽、本当の自分がわからない…。だから彼に感情移入したひとは多いんじゃないかなと思ったりしました。
きっと誰しもが抱く不安。自分の欠けた部分とは真逆のパーソナリティがほしいと思ってる。自分の欠点を受け容れるのが難しい。
もっと自分の心に正直でいい、短所は長所と同じである、表裏一体であるというメッセージを強く受け取りました。少し背中を押された気がする。
もうひとつのテーマは「平和」なのかな。小林賢太郎なりの「戦争と平和」についての考えだったりするのかなと。結局は「理想論」の世界なのかもしれないけれど、わたしにはこれくらいがちょうどいい。
ロールシャッハの本当の意味」を理解した後は、もう一回観たくなった。ちゃんと確認したくなったなー。
久ヶ沢さんはいつもかっこいい。オレンヂさんはとってもキュート。竹井さんによせる最大の安心感。そして小林賢太郎は、ずるい。*14人の中で、小林さんは最重要な役回りは担っていません。きっとこれが彼の「理想」なんでしょう。
KKPは再演のTAKE OFFとトライアンフしか観ていないのですが、ちゃんと踏襲されているなと思いました。前の作品から吸収されたものがきちんと生かされている。次の作品はもっとおもしろいんじゃないかな?と期待感が沸いてくる。
小林賢太郎がつくるものは、これからもずっと観ていきたいと今回もちゃんと思いました。

*1:ずるいっていうのは、褒め言葉です。わたしの中では、「ずるい」と「賢い」はニアリーイコールで結んでもいいと思ってるくらい